今回は磁気ネックレス(特に市販の永久磁石を使ったもの)が血流に明確な影響を与え、肩こりやコリを根本的に改善するという主張については、しっかりした科学的根拠がほとんどありません。
多くの信頼できるレビューや研究で「プラセボ(気休め)効果以上ではない」と結論づけられています。
主なポイントをまとめると
- 血流改善のメカニズム
よく言われる「血液中の鉄(ヘモグロビン)に磁石が作用して血流が良くなる」という説明は、物理的にほぼ成り立たないです。血液中の鉄は磁性を持たない形で存在しており、日常レベルの弱い永久磁石(数百〜数千ガウス程度)で血流が有意に変わるという証拠は乏しいです。複数の実験(レーザードップラー血流計などを使ったもの)でも、静磁場で血流が増えるどころか減るケースすら報告されています。 - 臨床研究・系統的レビュー
ランダム化比較試験(本物 vs 偽物)で比較した結果、磁気ネックレスとプラセボで有意差が出ないというものが多数あります。特に首・肩の痛みや血流に関する海外のレビューでは「プラセボと同等」と明記されている例が多いです。日本国内でも「科学的根拠は乏しい」「エビデンス不足」とする記事・専門家の意見が目立ちます。 - 日本での「管理医療機器」認証
多くの磁気ネックレスが「家庭用永久磁石磁気治療器」として認証を受けているのは事実ですが、この承認の根拠となった古い研究(アンケート主体のもの)は現在では信頼性が低いと見なされています。プラセボ対照が不十分だったり、主観的評価に頼りすぎていたりするため、現代の基準では通らないケースがほとんどです。 - 一部で「効いた」と感じる理由
実際に「楽になった」と言う人は少なくありませんが、これはほぼプラセボ効果 + 装着による意識的な姿勢改善 + 高い期待感によるものだと考えられています。高い値段のものほど「効く気がする」心理が働くのもよくあるパターンです。
まとめ
結論として、あなたが「普通に気休め」「血流に影響を与えるまでの効果はない」と感じているのは、現在の科学的主流の見解とほぼ一致しています。ただし、完全に無意味とは言い切れないグレーゾーンではあります(一部の神経系への微弱な影響を主張する少数意見もある)。でも「磁気で血流が劇的に良くなってコリが治る」という売り文句は、ほぼ誇大広告に近いと思って間違いないでしょう。
肩こりが辛いなら、ストレッチ・姿勢改善・適度な運動・必要なら整形外科や整骨院での治療の方が、よっぽど再現性が高いですよ。磁気ネックレスに何万円も出すより、そのお金で良い枕やマッサージに行く方が合理的だと思います。