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マラソンで日本と世界との差は縮んでいない

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 今回の記事ではマラソンにおいて世界の選手と日本人の差が縮まっているのかという題目で書いていきます。

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厚底ランニングシューズの誕生

 ナイキのカーボン搭載厚底ランニングシューズ(以下、厚底シューズ)が登場してから本当に日本人のマラソンのレベルは世界と縮まっているのでしょうか?道具の進化も人の努力も否定する気はないですが、自力といった面では縮まっていないと考えます。

長距離界の記録のインフレ

 厚底ランニングシューズが使用されはじめてから長距離界では記録のインフレが起きています。2019年の大学生の3大駅伝と呼ばれる出雲、全日本、箱根駅伝ではナイキのヴェイパーフライネクスト%でほとんどの区間賞が出ています。

区間記録者の着用シューズを調べると出雲駅伝では6区間中は4区間がヴェイパーフライの着用者、尚且つ区間新が2つ含まれています。

全日本では8区間の全ての区間賞者がヴェイパーフライ、尚且つ区間新が4つ含まれています。

箱根駅伝では10区間中9区間で区間賞者がヴェイパーフライ着用者、尚且つ区間新が6つ含まれています。

これだけの数の好記録がナイキ社の厚底シューズでているとシューズの恩恵でないとは言いにくい状態です。

世界との差

 厚底ランニングシューズ誕生してから世界もまたマラソンの世界記録を更新しています。

フルマラソンで比較

 厚底シューズが使用される前までのフルマラソンの世界高記録は2014年にキプルト・キメットがベルリンマラソンで出した2時間2分57秒でした。厚底シューズ誕生後は2018年同大会でエリウド・キプチョゲが2時間1分39秒の世界記録を更新しています。記録は1分12秒の伸びています。

一方で厚底シューズ誕生以前のフルマラソンの日本記録は高岡寿成さんの2時間6分16秒です。厚底シューズ誕生後はこの日本で長らく破られていなかった記録が2020年の東京マラソンで大迫傑選手が2時間5分29秒と記録を塗り替えています。日本記録は厚底シューズ誕生後47秒伸びています。

厚底ランニングシューズが出る以前の世界と日本の差は3分19秒、厚底ランニングシューズが登場してからは3分50秒となっています。単純に最高記録だけ比べるとむしろ差は開いています。

ハーフマラソンで比較

ちなみにハーフマラソンも同様に比べて見ると2019年厚底ランニングシューズでジェフリー・カムウォロレが58分01秒で世界記録を樹立しています。非厚底ではゼルセナイ・タデッセが2010年に出した58分23秒です。22秒伸びています。

一方、ハーフの日本記録は厚底ランニングシューズで2020年丸亀ハーフで小椋選手が出した60分00秒、非厚底では2007年佐藤敦之さんの1時間25秒です。25秒伸びています。

ハーフでは厚底ランニングシューズが出る以前の世界と日本の差は1分58秒、厚底ランニングシューズが登場してからは1分59秒となっています。

世界との差は縮まっていない

 一概に最高記録だけを比較しただけでは断定することはできませんが、世界との差は同じ道具を使った場合に縮んでいないと考えます。厚底シューズは日本人の記録を平均的に底上げしている印象もありますが、それは外国人選手が記録を上げる可能性も示唆しています。記録の最大値だけを比べれば日本と世界の差は相対的もしくはさらに開いています。

しかし、テクノロジーの進化によって日本人の記録の絶対値が向上していることは間違いありません。それは今まで勝負できなかった領域で世界との戦えるようになったことを表しています。

私は冒頭にも書いたように道具の進化も人の努力も否定するつもりはありません。だた一つ言えることは「日本はやっとフルマラソンで世界と勝負できるようになった」これだけでも大きな第一歩ではないかと思います。

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