陸上競技において早熟な選手と晩熟な選手についてどちらが良いのか。早熟と晩熟をどう定義するのかによっても意味合いが異なってくるのですが,私なりの見解をつづりたいと思います。特に中学生や高校生は競技生活を送っていく中で参考にしてもらえれば幸いです。
執筆している私がどんな競技レベルの選手だったのかを下記に記載します。
- 中学:中距離専門【800m~1500m】県入賞レベル
- 高校:長距離 個人関東大会出場レベル
- 大学:駅伝強豪大学入学→練習生→全く練習についていけず辞める→同好会で競技継続
- 最終PB:1500m4分05秒、5000m15分23秒、ハーフ70分25秒、フル2時間32分57秒、3000sc9分39秒
早熟な選手と晩熟な選手をどう定義するか
このコラムでは早熟な選手と晩熟な選手をどう定義するかですが、高校と大学の間をラインとして線引きします。
早熟な選手・・高校のタイムが以降更新できない選手
晩熟な選手・・高校までのタイムを以降も更新できる選手
上記、選手の競技レベルは関係ないものとします。そうしたときに選手にとって2つの達成感が関係してきます。相対的達成感と絶対的達成感とでも呼びましょう。
相対的達成感・・集団(レース単位)や組織(チーム)で比較対象が自分ではなくその他の指標(人やタイム、距離)にたいして自分を評価するときの達成感。例:良い順位が取れたとき、チーム内の練習を消化できたとき
絶対的達成感・・比較対象が過去の自分や自己ベストのタイムを対象としたときの達成感。例:自己ベストが更新できたとき
この達成感の違いが早熟な選手と晩熟な選手でどんな影響を与えるか考えていきます。
早熟な選手の場合
早熟な選手の場合、元々の競技レベルが高ければ高いほど著しく絶対的達成感を得ることが少なくなります。
例で例えると現:スバルの石田洸介選手(東洋大卒)が上げられます。中学・高校記録と順風満帆で記録を樹立していましたが、大学生ではその記録を超えるのに苦労しました。
メリット
- 中学・高校では記録が著しく伸びるので相対的達成感と絶対的達成感を両方得ることができる
- 早い段階で記録を出すことができ、全国区の大会やジュニアオリンピックなど規模の大きな大会に出場することができる。
- 相対的達成感を常に感じられやすい。*チーム内でトップの方にいられるため
デメリット
- 1度良い記録を出してしまうと絶対的達成感を得られる頻度が少なくなる
- ベストに近い水準で走ることができても喜べない
- 競技のモチベーション維持に苦労する
晩熟な選手の場合
メリット
- 記録を少しずつ伸ばすことができ、絶対的達成感を感じられる回数が多い
デメリット
- 組織やチーム内でのレベルが高い場合、モチベーションの意地に苦労する
- レースに出場の機会が減る
- 組織のレベルに順応もしくは記録が伸びてこないと相対的達成感と絶対的達成感の両方得ることができない
絶対的達成感はタイムの絶対値でしか得られない、相対的達成感は考え方次第で何度でも得ることができる
メリット・デメリットを挙げましたが絶対的達成感は得られる回数に限りがあります。タイムという指標があるからです。それに対して相対的達成感には得られる回数限りがありません。走るたびに指標を自身で設定することができるからです。集団の中で残れた、誰々に勝てた、キロ3分で何キロまで行けたなど。
基本的に競技レベルが上がれば上がるほど、自身の記録を更新できる機会は減少していくのでどの選手も選手自身が意図しているかは別としてここで言う相対的達成感を指標にしています。
であれば、競技者として早熟な選手と晩熟な選手であれば私は断然晩熟な選手の方がより競技を長く継続することができる可能性がありよいのではないかと考えています。
コメント